性被害を受けて警察にいくまで

こんにちは、性被害サバイバーのさくらです。今日は性被害に遭ってから警察にいくまでについてお話します。

わたしが受けた性被害についての描写がありますので、トラウマ等お持ちの方は閲覧をご遠慮ください。

①性被害の夜

わたしが被害に遭ったのは、会社の同僚との飲み会の場です。雨降る金曜日のことでしたのでどこの居酒屋も満席で、先輩夫婦のお宅にお邪魔することになりました。

わたしが住んでいた場所は工場地帯で近くに飲み場所が多いわけではなかったので、誰かの家でお酒を飲むということは珍しいことではありませんでした。

参加者は同世代ばかりだったこともあり、大学生のようにゲームをしてお酒を飲んで楽しみました。

わたしが性被害に遭ったのはその日の夜中です。夜が更けるとともに雨はひどくなっていって、酔いの回っているからだで傘をさして歩いて帰るのが面倒くさくなってしまいました。

わたしはお酒に耐性がなく、うとうとしてしまいました。先輩が「さくらちゃんを布団に運ぼう」というようなことを話しているのが聞こえてきましたが、わたしは体を起こせませんでした。わたしは先輩方に甘えていたのだと思います。もうここで寝かせてくださいとさえ思っていました。

先輩方がわたしを布団に運んでくれている際、上半身を支えてくれた先輩がわたしの胸を揉みしだきました

急に酔いから醒めた感じがしました。

心臓が速く動くのを感じながら、「ああ、この先輩はわたしのことをそういう目で見ていたのか」と冷静に考えました。ですが、このときは声を上げることをせず、「でもまあ胸を触られただけだし」だとか「ここでうとうとしてしまったわたしがわるいよね」だとか「先輩も酔ってて魔が差しちゃっただけだよね」だとか考えて、そのあと「きっとこれ以上はないから、なにもなかったことにしてあげるよ」と思いなおしました。

わたしは目を覚ますタイミングを完全に逃し(目を覚ましたら胸を触られたことを気付いたことがばれてしまうと思った)、他の同僚も寝る用意を始めました。「どの部屋で寝る?向こうの和室もあるけど」「いや、俺はここで寝るわ」さっき胸を触ってきた先輩が私が同じ部屋で寝ることになりました。少しだけ嫌な予感がしました。

他の同僚が別の部屋へ移動すると、先輩からの性加害が始まりました。これ以降、この先輩のことをTと呼ぶことにします。

わたしは敷いてもらった布団で寝ていて、Tはソファで寝ることになりました。ですが、Tはわたしの布団の横に座り、再びわたしの胸をもみ始めました。

わたしは大学生のときに同じような経験をしたことがあります。女性経験の無い同級生が、わたしが寝ているのをいいことに胸を触ってきました。彼はわたしが体を動かすと触るのを辞めそのまま朝を迎えました。その後、わたしたちは昨晩のことをなかったことのようにし友人関係を続けました。当時は、人間関係を崩すほうが嫌だったし、彼も出来心だったのだろうと思い許してあげることにしたのです。

このような経験もあり、わたしはTが胸を触ってきても「Tと気まずくなるの面倒だなという気持ちのほうが不快感より大きく、体を動かすことでその場をしのごうとしました。

わたしの考えが甘かったことがわかったのは、どんなに起きそうな素振りを見せてもTが手を止める気配がなく、それどころかいよいよ起きようとしたときには「大丈夫?うなされてるよ」と恰も酔っぱらったわたしを介抱するように誤魔化し始めたときです。

そこからは地獄の数時間でした。拒否をしてもやめてもらえないのは本当に苦痛で、過去に行為を辞めてもらえていたのはわたしが幸運なだけだったのだと思いなおしました。Tは、胸を直接揉み、キスをし、陰茎を触らせ、陰部を触りました。わたしは何度も体を動かして逃げようとしましたが、そのたびにTに体を押さえつけられました。男性の力の強さを改めて思い知らされました。わたしは「やめてください」と声を出すことができませんでした。別の部屋で寝ている同僚にばれるのが嫌だったし、わたしのからだを貪るTが怖かったし、自分が何をされているかよくわからなくなってきていました。わたしは自分自身を”痴漢をされたって声を出せるタイプの人間だ”と思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。本当の意味で、恐怖を感じたときには声を出せないんだということを理解しました。

不幸中の幸いで、犯されることはありませんでした。夜が更けてきたからです。他の同僚が起きてくることを危惧したのか、T自身が眠たくなったからなのか、とりあえずわたしは幸運でした。朝になるとあんなに振っていた雨は止んでいました。あんなに大雨じゃなければ同僚の誰かが気が付いてくれて助けに入ってくれたかも。そのまえにみんなで歩いて帰ろうということになっていたかも。

②被害後の朝

わたしは被害に遭ったことをすぐに友人に話しました。友人はすぐに警察へ行くことをすすめてくれました。大事にする気はなかったのですが、友人がわたし以上に怒ってくれたことでわたしが本当に恐怖を感じたことに気が付くことができました。

その日は土曜でしたが、友人に同伴してもらって近くの警察署に行きました。刑事課の方はいらっしゃいませんでしたが、当直の警察官の方が親身になって話を聞いてくれました。泣きながら昨晩のことを話しているうちに、刑事さんが来てくれました。お休みの日なのに私のために来てくれたとのこと。わたしは被害後にお風呂に入らないまま警察署に来たので、そのまま証拠採取に入りました。下着や服を提出し、胸や陰部や陰部の中のDNAを採取してもらい、昨晩撮ったTや他の同僚との写真を見せました。わたしは、初めて産婦人科で自分の清潔ではない陰部を曝しました。怖い思いをした直後に男性の医師に触られ、本当に苦痛でした。捜査は週明けから開始するとのことで、その日は帰ることになりました。警察にもらった下着と服を身に着け、帰路につきました。

本日はここまで。続きはまた書きます。

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